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浜口陽三
ツーペアーズ
額サイズ:W38cm×H30cm
カラー・メゾチントの銅版画
ご購入済
浜口陽三 プロフィール
カラーメゾチントのパイオニア、浜口陽三が本格的に銅版画を制作しはじめたのは1950年(昭和25年)、40歳を過ぎてからです。
浜口陽三が追求した銅版画の技法、メゾチントはヨーロッパでは17世紀から用いられた技法ですが、浜口陽三はその銅版画の技法に第二次世界大戦後の日本で取り組み始めました。
道具や材料が思うように手に入らない時代に試行錯誤しながら作られ始めた銅版画の作品は初々しい魅力にあふれています。
浜口陽三は銅版画制作に専念するため1953年(昭和28年)にフランスへ渡ります。
そしてパリについたその夜、カフェで偶然出会った画商のベルグリューンにその才能を認められます。
はじめは黒の濃淡で表した表情豊かなメゾチントの銅版画作品が認められていきますが、浜口陽三はそれだけでは飽きたらなくなり、1955年(昭和30年)4色、4版を重ねる独自のカラーメゾチントの銅版画に着手、宝石のように美しい数々のカラーメゾチントの銅版画作品を生み出します。
第1回東京国際版画ビエンナーレ展(1957年)で国内大賞にあたる国立近代美術館賞、第4回サンパウロ・ビエンナーレ(1957年)で版画大賞を受賞するなど、そのカラーメゾチントの銅版画の評価は一気に国際的に高まっていきました。
人種や言語の違いを超えて浜口陽三のカラーメゾチントの銅版画は受け入れられていきました。
1960年(昭和35年)頃になると日本やフランスのほか、イタリア、アメリカ、スペイン、ベルギー、ユーゴスラビア、ブラジルなど、ほとんど連日、世界のどこかで浜口陽三の銅版画の作品が展覧会に出品されている状況にまでなっていました。
一方でカラーメゾチントの銅版画の制作はアトリエで続けられ、その表現は黒と色彩のコントラストが一層明確になっていきます。
68歳頃からはパリの寒さを避けてアメリカ西海岸をしばしば訪れるようになり、1981年(昭和56年)秋、サンフランシスコに移住します。
あらたな土地でカラーメゾチントの銅版画の制作は続けられました。
1974年(昭和49年)、65歳の時「ブリタニカ百科事典」第15版の銅版画のメゾチントの項目に「20世紀中ばにおいてメゾチントの技法を使う最も優れた、ほとんど唯一の芸術家はパリ在住の日本人である浜口陽三で、カラーメゾチントの銅版画の新しい技術を開発した」 と紹介されました。
後になって浜口陽三はこのことを、ほかの数多くの栄誉ある賞よりも一番誇りに思っていると語りました。
★コメント
浜口陽三さんが銅版画で制作したインテリアの絵画「ツーペアーズ」は、1976年に制作されたインテリアの絵画です。
レギュラーエディション222部、AP(作家保存版)25部、NC(非売品)6部、トータル253部のカラー・メゾチントの銅版画が制作されました。
このインテリアの絵画の絵柄だけの大きさは縦3,6cm×横5,6cmの小さなテントウムシの絵です。
レゾネナンバーは142番で、これは浜口陽三さんのカラー・メゾチントとして142番目に制作された銅版画という意味です。
浜口陽三さんがカラー・メゾチントの銅版画で制作したインテリアの絵画「ツーペアーズ」をご購入されたお客様は、
アートギャラリーモトカワの以前からのお客様で浜口陽三さんの銅版画を初めてご覧になられた方でした。
このお客様が画廊に遊びに来られている時に、丁度このインテリアの絵画が入荷したのでお見せすると、とても興味をお持ちになられました。
浜口陽三さんやカラー・メゾチントについてご説明すると、すごく感動されてご購入されました。
このお客様は普段から美術品や古美術、オペラやミュージカル、歌舞伎など色々なものに興味を持たれてご覧になっておられるので、
自然にものを見る目が備わっておられるのだと思います。
初めて浜口陽三先生のカラー・メゾチントをご覧になってご購入されたお客様は、僕のお客様では初めてです。
自分の価値観を養ったり、美しいものを見る目を鍛えておくことは、とても大切な事だということを改めてこのお客さまに教えていただきました。
浜口陽三さんのインテリアの絵画をご購入いただき誠にありがとうございました。